磁場、あるいは宇宙的郷愁

5/28 慶應義塾大学日吉キャンパスにて。


舞踏ダンサー/振付家室伏鴻、フランス・コンテポラリーダンス界の中堅のベルナルド・モンテ(トゥール国立振付センター芸術監督)、気鋭の若手のボリス・シャルマッツ(レンヌ国立振付センター芸術監督)のコラボレーション企画。2008年からスタートした3年越しの企画で、各地でワーク・イン・プログレスを行いながら、2010-2011シーズンに作品を日本・フランス両国で上演するということである。


この日は16時から、ゆるーい感じのビデオレクチャー(モロッコ(ホテル)と別府(砂風呂、温泉)での室伏とシャルマッツの「即興」的な動きを見ることができた)があり、19時からワーク・イン・プログレスを見た。


室伏とシャルマッツは、24日に別府でワーク・イン・プログレスを行っており、そこに当日来日したモンテが加わったことになるのだが、ざっと見た感じでは、実際、室節とシャルマッツが作ったもの(レクチャーの際に画像をいくつか見ることができた)にモンテが加わったような印象を受けた。


舞踏を実践している室伏と、大野一雄のもとで舞踏を学んだモンテ、昨秋土方の『病める舞姫』を土台にした作品である "La danseuse malade" (筆者はフランスのアンジェで初演を見たが、いい作品だった)を発表したシャルマッツのコラボレーションなのだから当たり前の話なのだが、舞踏的な身体のあり方(と言っても書いてる自分もはっきりとはわからないが)に、関心を持っているのが見てとれた。とりわけ、室伏の床に倒れこむ動作や、四つん這いになって歩くライオンのような動き、シャルマッツの声と身体を使ったパフォーマンスは印象的だった。